O脚・X脚(膝内反・膝外反)

下肢が膝のところで離れる、つまり「がにまた」になっているものをO脚(膝内反)といい、反対に膝がくっついて、足首のところで開く状態をX脚(膝外反)といいます。一般には両側の下肢をそろえたとき、膝の間に2本の指が入るほどのすき間があるものをO脚、両側の下肢をそろえたとき、膝の間にすき間はできないが、両側の足関節の間に2本の指が入るほどのすき間があるものをX脚としています。しかし、どの程度のO脚・X脚が治療の対象となるのか、その判断はむずかしいところです。

一般に乳児はすべてO脚ですが、成長とともに徐々に矯正されて2歳ぐらいでO脚は消失して、その後はしだいにX脚となる傾向がありますが、やがて矯正されて正常脚になるものなのです。このようなO脚・X脚を生理的O脚・X脚といいます。病的なものは、先天的な骨の病気、くる病、骨折などがおもな原因ですが、小児期や少年期に過度な労働で重いものをもったり、長途歩行を強いたりすることも、この変形をおこす原因となります。

治療

O脚は、その原因となる基礎的な病気がなければ、自然治癒するケースが多いので、経過を観察するのがよいでしょう。けれども、X脚にはそれがないので、軽症でも十分な治療が必要です。変形が強いときには、矯正のための装具を用いたり、手術療法も行なわれます。