膝蓋軟骨軟化症

15~20歳代の女性に多くみられる病気で、膝の皿骨(膝蓋骨)の裏側にある軟骨が変性軟化し、進行すると軟骨に亀裂が生じて水疱状にふくれてきます。

原因

力学的原因説がもっとも有力です。階段を上るときの膝蓋骨と大腿骨の間に加わる力は、平地歩行のときの7倍となること、しかも膝蓋軟骨は、関節軟骨のなかでももっとも厚いため、ジャンプのくり返しやランニングなどで、膝蓋軟骨にはげしい摩擦が加わって、軟骨表面に摩耗などの変化がもっとも早くおこりやすいからと、考えられています。

症状

階段昇降時や、正座から立ち上がるときの瞬間的な痛み、膝がくずれる感じ、 膝蓋骨の圧迫時の痛み、膝蓋骨後面のじょりじょりした感じと、きしみ音などがおもな症状です。

治療

まず安静、活動量の減少が必要で、ひざまずく、しゃがむなどの動作を禁じ、 階段昇降は膝をのばした形で一歩一歩進む注意が必要です。痛みが強いときは膝をのばした位置での包帯固定かギプス固定が効果的です。根本的な治療法がなく、完全に症状をとることはむずかしいのですが、痛みが強く、日常生活にも支障がある場合には、手術療法も行なわれます。