膝内障

膝関節は、一見屈伸運動だけをしている単純な関節のようにみえますが、実は複雑な構造をもち、複雑な運動をしているところなのです。この関節の運動を滑らかにするために、内・外側側副靱帯や前・後十字靱帯、内・外半月板、関節包などがそれぞれの役割をはたしています 。外傷により、これらの組織が損傷し、関節の機能障害をおこした場合を総称して、膝内障といいます。

半月板損傷

半月板は、大腿骨と下腿の骨の間にあって、関節の安定性を高めたり、クッションの役目をしたりしています。この半月板は、スポーツなどで膝が屈曲した状態でねじられると、大腿骨と下腿の骨の間にはさみこまれて、断裂されることがあります。断裂と同時に膝に激痛を感じて歩けなくなり、関節血腫あるいは関節水腫がおこります。また、膝の伸展運動がある角度で急にひっかかって、のばせなくなる(嵌頓症状)こともしばしばおこります。障害が強いときには、関節造影、MRI検査、関節鏡検査で断裂部位とその程度を確認したうえで、断裂半月板の縫合術、部分切除術、半月切除術が行なわれます。

側副靭帯損傷

内・外側側副靱帯は、膝の内側と外側にある靱帯で、関節の横ぶれを防ぐ役目をしています。この損傷は内側に多く、スポーツ外傷(スキー、フットボールなど)で外反膝 を強制されたときにおこります。この靱帯が断裂すると、断裂部の圧痛と膝を軽く屈曲 した位置での側方への動揺性をみます。軽症のものでは、数週間のギプス固定を、 重症のものには靱帯縫合術とギプス固定を、しばらく治療されずに放置されて動揺関節を生じてしまったものには、靱帯再建術が行なわれます。

十時靭帯断裂

前十字靱帯は膝の前方へのずれを防ぎ、後十字靱帯は膝の後方へのずれを防ぐ役目をしています。この靱帯の断裂は、はげしいスポーツが盛んになるにつれて増加しています。この断裂の多くは前十字靱帯におこり、半月板や側副靱帯の損傷を合併します。この靱帯が断裂すると、関節血腫をおこし、膝関節が前後方向へ動揺しやすくなって、走行時、走行停止時などに不安感をもつようになります。合併損傷のない場合は、膝関節周囲の筋肉強化をつづけることで日常生活をおくるにはとくに不便を感じなくなります。しかし、合併損傷があったり、はげしいスポーツをつづけたい場合は、再建術がすすめられます。

棚障害

膝関節内の滑膜ひだが形態異常をきたし、これが帯状または棚状の形態で、膝関節の内側壁を上下方向に走ることがあります。この異常組織は約半数の膝に存在しますが、病的なものはほんのわずかで、これを棚障害といいます。膝の屈伸運動に際して、この異常組織が大腿骨の関節面と接触し、軟骨面に軟化や潰瘍性変化が生じて、階段の昇降やランニングなど痛みを生じ、棚による弾撥現象もみられます。治療は、はげしいスポーツは中止して様子をみた後、痛みのつづくものには関節鏡を用いてこの棚組織を切除します。